今年のファッショントレンドワード「ジェンダーレス」が、ペアルックにも波及。 ユニセックスとの違いは?

2015年12月04日

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みなさん、「ジェンダーレス」っていう言葉はご存知ですか? ファッション業界で、今年のトレンドワードと言われている言葉です。私が出入りしている界隈でも、耳にする機会がすごく多いです。

大人世代のなかには、「男女兼用を意味する「ユニセックス」と同じ意味じゃないの?」と思う人もいるかもしれません。でも、巷のファッショニスタたちのペアルック事情を見てみると、「ジェンダーレス」の意味がわかってきますよ。

 

若者が「彼氏とお揃いで着たい」のはスポーツブランド。
ペアルックに対する世代別の価値観の違いが浮き彫りに。

「ジェンダーレス」概念の実態を知る手がかりの一つとして、まずご紹介したい調査があります。「フリル」で行った、「彼氏や夫とお揃いで着たいアパレルブランド」についてのアンケートです。

結果、全体のランキングでは1位が「BEAMS」、2位が「adidas」3位が「UNITED ARROWS」と、メンズラインとウィメンズラインを共に扱うブランドが上位に並びました。

彼氏や夫とお揃いで着たいブランド

しかし、このアンケート結果を年齢別で集計しなおすと、全く違う順位になるのです。回答者を「大学・専門学校生」に限定すると、「BEAMS」を上回り、スポーツブランドの「adidas」が1位にランクイン。3位は「Nike」となりました。

【大学・専門学校生のみ】彼氏や夫とお揃いで着たいブランド

また、中高生に限定すると、1位、2位がスポーツブランドの「adidas」と「Nike」。3位が東京・原宿を中心に若者から人気を誇るSPAブランド「WEGO」、4位がアメリカ発のカジュアルブランド「Gap」です。全体のランキングでは3位だった「UNITED ARROWS」は、なんと0票でした。

【中高生のみ】彼氏や夫とお揃いで着たいブランド

大人と若者で、明確な違いが見られるこの結果。年代による可処分所得の違いが理由かとも思えますが、中高生ランキングにおいて2トップの「addidas」、「Nike」と価格帯がそこまで離れていない「BEAMS」が11位であることを考えると、なにか別の理由がありそうです。ペアルックに対する年代別の価値観の違いは、いったい何から生まれたのでしょうか。

SNSネイティブの若者は、「ただの同じブランドアイテムではなく、写真で見てもわかる同じモノを着たい」?

その原因の一つはおそらく、ペアルックを着る彼女たちの目的が、大人のそれとは違うことにあります。堂々すぎるペアルックに恥ずかしさを感じて、人から茶化されないようこっそり同じブランドを着ようとする大人とは違い、中高生にとって、ペアルックは人に見せるためのモノなのではないでしょうか。

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SNSネイティブの彼女たちには、「ファッション=SNSに載せて楽しむもの」であるという意識が念頭にあるのでしょう。そのためペアルックに関しても、単なる同じブランドのアイテムではなく、写真でひとめ見るだけでお揃いだと伝わるものを着ようとしているのではないでしょうか。

ランキング上位を占めている「adidas」「Nike」「Gap」はどれも、大きくプリントされたブランドロゴが印象的です。仲のいい女の子同士で同じ服を着る「双子コーデ」に近い現象と言えるでしょう。

自分の性を際立たせる「ユニセックス」と、異性的なアイテムを着ることで自分の性を緩和させる「ジェンダーレス」

また、このランキングと並べて見たいのが、こちらのグラフです。

【中高生のみ】彼氏、夫に着て欲しいブランドはどれですか

「フリル(FRIL)」内で男性ユーザーに人気のブランドのなかから、若い女性が彼氏や夫に着て欲しいと思うものを選んでもらったアンケートの結果です。女子中高生ユーザーの回答結果は、元の選択項目に入っていなかった「WEGO」を除くと、トップ3は「お揃いで着たい」ブランドと同じです。

また、「大学・専門学校生」ユーザーの回答においても、ランキング上位は「BEAMS」「ユニクロ」「ラルフローレン」など、お揃いで着たいアパレルブランドの上位と一致するものが多く見受けられます。

【大学・専門学校生のみ】彼氏、夫にきて欲しいブランドはどれですか

つまり、現代の若者にとって、二人でお揃いで着たいブランド=本来彼氏に着て欲しいブランドということです。「彼カジ」という言葉に象徴されるように、「メンズ風に作られたレディスアイテム」ではなく「メンズファッションのために作られた男性的なアイテム」を身に纏うことは、若いファッショニスタにとっては当たり前のことなのです。

かつてのユニセックスファッションは、異性的なアイテムを着ることで、自分の体の華奢さや女性らしさ、つまりは自分の性を際立たせるファッションでした。しかし、今流行している「ジェンダーレスファッション」は、異性的なアイテムを着ることで、自分の性を緩和させるものなのではないでしょうか。


PROFILE
ガルシア佐藤仁美

フリルラボ所長

ガルシア佐藤仁美

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1994年メキシコ合衆国出身15歳までメキシコで過ごす。趣味はファッション、音楽鑑賞、映画鑑賞。好きになるとどんどんはまっていく性格でメジャーからマイナーまで詳しい。

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