毎月「フリル」に出品されている2,000以上のブランドを対象に、取引が成立した個数順にランキングでご紹介する「人気ブランドランキングTOP10」。8月の取引実績では昨年11月の開始以降一度も変わることがなかった1位のブランドがついに交代しました。
人気ブランドランキングにおいて首位を一度も譲らなかった「snaidel(スナイデル)」を交わしたのは「CHANEL(シャネル)」です。要因はコスメ系アイテムの取引数の伸びでした。8月になり夏物衣料への需要が薄まったタイミングで、コスメや小物の需要が高まったためです。
今回新たにTOP10に加わったブランドは無く、先月に続き人気ブランドが固定化されていることがわかります。夏期のトレンドが一段落し、今後秋に向けてブーツや重衣料の需要が高まるなかでどのようなブランドが人気を集めるか引き続き注目していきます。
■急上昇ブランド「24karats」
惜しくもTOP10には入らなかったものの、先月TOP30圏外から11位まで急上昇したのが「24karats(24カラッツ)」です。このブランドはEXILEが所属する芸能プロダクション、株式会社LDHが展開するファッションブランドで、8月に全国各地で開催されたイベントに向けて参加者による需要が拡大したようです。
■オシャレさより一体感で売れるイベントファッション
(「もいろクローバーZ」のグッズはメンバーごとにカラーが異なり人気がある。)
今年の夏も全国各地で開催され賑わいを見せた音楽フェス(様々なアーティストが集まる野外音楽イベント)について、フェスファッションがトレンドとなっている件を以前特集しました。野外で1日から2日間という長時間を掛けて参加する音楽フェスはアウトドアの要素もあり、「音楽×アウトドア」にオシャレを組み合わすことで野外の雰囲気を楽しみながら過ごすファッションとして受け入れられています。
今回の「24karats(24カラッツ)」が急上昇したように、ランキングで見えてきたことは複数のアーティストが揃う音楽フェス以外に、主に屋内にて単独で開催するライブ会場でも独自のファッションがトレンドとなっていることがわかりました。
フリルで特に取引が盛んに行われているのは「ももいろクローバーZ」のアイテムです。これまでに約5,000点のアイテムが出品されており、そのうち約3,000点の取引が成立しています。ライブの参加者は推しメン(イチ推しのメンバー)を象徴するカラーの衣装や、アーティスト自身がデザインした服を着ることで、ライブを聞いて楽しむだけでなく、会場全体で一体感を楽しむためのグッズ(衣装)が人気があるようです。
音楽を中心としたライブ・エンタテインメントを主催し、全国のプロモーターで構成される「一般社団法人 コンサートプロモーターズ協会」の発表によると音楽イベントはスタジアム・アリーナ・ホール・ライブハウス・野外など全ての会場で近年動員数は伸びており、10年間で倍以上に拡大していることからイベントを中心とした音楽との関わり方が広まっていることがわかります。
(「パリピ」イメージ)
一昔前は音楽に対して対価を払うものといえばCDや音楽雑誌、ポスターなど店舗で購入して自宅で楽しむモノが中心でした。しかし現代ではストリーミングサービスや動画配信サービスなど、わざわざ店舗に向かうこと無く手軽に、そして安価に音楽に触れることが可能になりました。フェスを中心としたイベントへ積極的に参加する若者「パリピ」がトレンドになっているように、音楽に関してCDや雑誌などのモノ消費する必要がなくなったため、実際にイベントで体験するためのコト消費へ対する興味が強くなっているのではないでしょうか。