FRIL labに新しく加わった特派員の小口です!
若者のファッションや消費行動に関するトレンドについて調査してきますので宜しくお願いします。初めてとなる今回は海外のファッションが日本の若者にどのような影響をもたらしているのか調査しました。
■10代の8割が参考にしている海外ファッション
FRIL labでは、フリマアプリフリルのアンケート機能を使い、利用者に「海外のファッションを参考にしているか」質問しました。すると1,297名の女性から回答があり、うち68.2% (n=884)が「参考にしている」と回答しました。つまり、約7割の女性が海外のファッションを参考にしているということになります。また調査結果で特に注目したいのが、若い世代ほど海外ファッションを参考にしている点です。”個性的”より”浮かない”を好むとされる現代の若者が、海外ファッションをどのように取り入れているのか、下記にまとめました。
■10代・20代が最も参考にしているのは「韓国」
まずは、上記アンケートで「海外ファッションを参考にしている」と回答した884名の女性に対し、どの国を最も参考にしているか質問しました。
年代別に見ると、10代・20代が最も参考にしている国は「韓国」でした。ファッション誌の全盛期には、パリやミラノ、ロンドンやニューヨークなどのコレクションレポートや、ストリートスナップを見て最新情報を追うことがあたり前でしたが、現代は少し違うようです。なお30代と40代は「アメリカ」や「フランス」を最も参考にしているという結果に。ロサンゼルスやニューヨーク、パリのファッションに憧れる人は昔からいるので、こちらは理解できます。
では、10代・20代が参考にする「韓国」ファッションとは、一体どのような世界なのでしょう。また、世代によって参考にしている国が異なる点には、どのような理由が考えられるのでしょうか。
・サンプル数が10以下の国は「その他に国」に分類
■なぜ韓国ファッションなのか
近年、「オルチャンメイク」や「オルチャンファッション」など、韓国ファッションが雑誌で特集される機会が増えています。「オルチャン」とは、”かわいい”の韓国語表現で、日本でも韓国のメイクやファッションを参考にする場合に使われるようになりました。さらに、「DHOLIC(ディーホリック)」などの韓国通販ブランドも日本で人気を集めています。なぜ今、こうして韓国ファッションが浸透しているのでしょう。
上記のアンケート調査で、「韓国ファッションを参考にしている」と回答したユーザーに、その理由を質問してみました。すると、「安く気軽に買える」が60.1%(n=173)で最多となり、次いで「その国のタレント・アーティストが好きだから」が31.9%(n=92)という結果になりました。
さらに、韓国に頻繁に旅行する韓国大好きの女性に、韓国ファッションの特徴についてインタビューしてみたところ、次のような回答を得ました。
Q:なぜ韓国ファッションが好きなんですか?
──デザインや着こなしが日本にはないものが多いからです。海外のコレクションで発表されたデザインをいち早く取り入れてますし、とにかく(トレンドの)サイクルが早いので飽きないです。
Q:韓国ファッションは安いんですか?
──凝ったデザインが多いわりに、手頃な価格のものが多いです。
Q:日本のファッションと比べた韓国ファッションの特徴とは?
──日本にはないエッジの効いたデザインが多いところです。色使いやディテールも日本の感覚とは真逆をいっていて、攻めたものが多いので楽しい。でもその分、日本だとちょっと浮いてしまうかも。。。
Q:ズバリ、韓国のファッションで参考になるところを教えてください。
──色使いや着こなしのバランス感が自由で個性的です。「これありなの?」っていう組み合わせもさらっと着こなしている子が多くて、すごく参考になります。
つまり、海外ファッションでありながら、安く気軽に買えるという点が、韓国ファッションが支持される理由のようです。また、日本のファッションに比べてエッジが効いていて、個性的な着こなしを楽しめるという意見も。これらが、使えるお金が少なく、トレンドに敏感な10・20代の若い女性の人気を集める理由であることが伺えます。
なお、30代女性から最も参考にされている「アメリカ」は、「自分らしさを表現できるから」が43.8%(n=127)で最多で、次いで「その国のタレント・アーティストが好きだから」が35.9%(n=104)となりました。
韓国とアメリカのファッションを参考にする人から共通して上位に上がっている通り、タレントやアーティストの存在も見逃せません。日本で人気を集める韓流アイドルの存在からみても、音楽文化がファッション影響を及ぼしているともいえそうです。
また、日本人の各国のファッションに対するイメージは、上図の結果になりました。スウェーデンやスペインに対して「安く気軽に変えるブランドがあるから」が過半数となったのは、日本でも人気のファストファッションブランドであるH&MとZARAがそれぞれ本社を構えていることが考えられそうです。