TV・各メディアで大活躍!「ジェンダーレス男子」流行の背景と気になるファッション3ジャンル

2016年06月10日

「ジェンダーレス男子」ブーム


最近テレビをつけると、よく見かけるジェンダーレス男子。

XOX(キス・ハグ・キス)のリーダー「とまん」さん、アパレルブランドDINGを手がける「こんどうようぢ」さん、そして最近見かけない日はないといっても過言ではない「りゅうちぇる」さんや「ゆうたろう」さんなど、男性でありながら中性的な容姿やファッション、それでいてオネエではない、という、まさしくジェンダーの垣根を越えた存在が増えてきているのです。

 

ブームの背景


 

<LGBTを認める社会>

ジェンダーレス男子がこんなにも社会現象にいたった要因の一つに、LGBTの認知度上昇が挙げられるのではないでしょうか。

LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー(心と体の性が一致しないこと)の頭文字それぞれに由来した、性的少数者を意味する言葉。

 

近年では、LGBTをカミングアウトする人も珍しくはなく、また、彼らを支持することを大々的に公言する企業も増えてきました。

ジェンダーレス男子は先述したとおり、オネエではありません。そして一般的にはゲイでもバイでもないとされています。

 

ですが、それまで「男性」と「女性」、2種類の性だけを認めていた社会から、現在、あらゆる性別を承認する社会に変わりつつある時代だからこそ、「男性」として生まれながら「男性的」ではなく、時に「女性的」にさえ見える彼らは、自らが着たい服を選び、独自のファッションを築き上げることができたのではないでしょうか。

 

<kawaiiファッションの一般化>

二つ目に挙げられるのは、日本特有の「Kawaii」という感性が詰まった原宿ファッションが一つのジャンルとして一般化してきたこと。

 

それまでは女性の間だけで流行していたパステルカラーや装飾過多なコーディネートなどが男性にも広まったことで、男性がレディースの服を着ることが珍しくなくなり、また、それが「個性」として受け入れられるようになったと考えられます。

 

<女性ファンの増加>

最後に挙げられる要因としては、一つ目のLGBTを容認することからつながるのですが、スキンケアや美貌、ファッションに気を使うジェンダーレス男子の「女子力」が、同年代、もしくは年下の女性から憧れを抱かれ始めていること。

 

ジェンダーレス男子のファンには、同じく中性的な男子ももちろんいますが、実は女子が多いようなのです。そして彼らがSNSなどで上げるスキンケアアイテムやコスメなどを、真似して買うという方も多いのだそう。

 

原宿のジェンダーレス男子20人に聞いたマストアイテム3


 

実際に原宿でジェンダーレス男子といわれている方20人に聞き込みをして、どういったファッションが好きか、また、欠かせないアイテムはなにかを聞いてきました。

するとやはり、返ってきた答えはレディースアイテムばかり。

 

おしゃれに気を使うあまり、常にダイエットを心がけていて(身長170cm以上で体重が50kgに満たないという声も!)、メンズ服はサイズが大きくて合わないという声が多かったのです。

今回はその中で多数派意見の3アイテムをご紹介します。

 

①柄トップス

シャツやカットソーを挙げていた方が多かったのですが、総称して「トップス」とさせていただきます。人気の理由は、レディースだとかわいらしいモチーフ(実際にアイスクリーム柄やハート柄など着ている方が多かったです)の柄や、ピンクや白などパステルカラーのアイテムが手に入るから。

 

華奢な体つきを強調するために、肩幅の狭いレディース服でタイトに着こなすのが好き、という意見もありました。FRILでも今までに男性が購入したレディスアイテムを見ると、トップスは人気が高いので、この結果もうなずけます。

 

②スキニーパンツ

ボトムスはスキニーパンツが圧倒的に人気。

「レディースパンツが履ける」というのが、常に細身の体型を意識している彼らの中ではステータスになっていることもあるようで、ジェンダーレスファッションを始めるきっかけになった、という声も多く聞くことができました。

 

今季の女子のトレンドでもありますが、クラッシュデザインも人気で、中には好みのダメージ具合に自分でカスタムするというこだわり派も。

 

③ベースメイク、スキンケアアイテム

アパレル以外に欠かせないアイテムとして、コスメを挙げる人も多かったです。

「肌を綺麗に見せたい」というのは、ほとんどのジェンダーレス男子に共通して見られた意見で、毎日スキンケアに1時間以上かけるという方もいました。

 

クッションファンデやコンシーラーを使い分けている上級者もおり、ブランドでは、こんどうようぢさんやとまんさんが愛用を公言しているETUDE HOUSEが人気のようです。

 

多様化するジェンダーレス男子


 

一口に「ジェンダーレス男子」といっても、そこにはさまざまなタイプの人間が存在します。

女子の中に「かわいい系」や「綺麗系」、「セクシー系」…とさまざまなファッションがあるように、彼らが着るファッションもまた広がりつつあるのです。

フェロモン男子 カラー 修正 2

<フェロモン男子>

・ファッション:モノトーン、ロックT、黒パンツ、エンジニアブーツなど、アイテム自体は男性が取り入れやすいクールなものが多いものの、体型やスキンケアにこだわり、「キレイ目」に着こなすのが特徴。

・ヘアスタイル:服に色を取り入れない分、金髪やピンク、ブルーなどカラフルに染めていることが多い。

・こだわりポイント:香りに人一倍気を使っており、そこに色気を感じる方も。CHANELのCHANCEなど、レディース香水を愛用。

「とまん」さんやK-POPアイドルのファッションを真似しているという人も。

 

原宿ファッション男子 カラー

<原宿ファッション男子>

・ファッション:こだわりが強く、柄もの、パステルカラー、原色系などカラフルなアイテムが多い。また、ファー付きやレザー切り替えなど異素材アイテムで構築的なシルエットを作る傾向も。シューズはスニーカーが基本で、厚底やキャラクターのついたデザインなど、さまざまコレクションしているという方もいるよう。

・ヘア:派手めな色にしていることが多く、もしくはパーマをかけて動きを出したり、バンダナを巻くなどヘッドアクセでアレンジすることも少なくない。

・こだわりポイント:目立つファッションをするのは、「Instagramでいいねがつきやすい」という理由もあるよう。

「こんどうようぢ」さんや「けみお」さんのファッションを真似しているという人も。

 

ゆるふわ男子 カラー

<ゆるふわ男子>

・ファッション:ピンクや白などのパステルカラー、もしくは赤などの暖色系が多い。シャツやアウターのボタンは全て留めるなど、露出の高い格好はあまり好まない。トレーナーにだぼっとしたパンツなど、全体的にビッグシルエットで、より自身の華奢な印象を強めている。古着も多い。

・こだわりポイント:ボーイッシュに偏りがちなアイテムを、丸襟ブラウスやレディースの小さいバッグ、丸眼鏡などポイントでかわいらしく転換。

・メイク:時間をかけてスキンケアをした後で、メイクもばっちり行う。ベースから人によってはアイライナー、チークまで。

 

「男性らしさ」や「女性らしさ」、性にとらわれて服を選ぶのは過去の話。

今は男性も女性も「自分らしさ」を尊重してファッションを楽しむべきですね。