キーワードは「赤」
前回の「1300人に聞いた自身のメイクの意識調査」で10代女子の1/4がオルチャンメイクに興味を示していることがわかりましたが、オルチャンメイクの特徴といえば、やはり「デカ目」。
日本をはじめアジア圏は、欧米諸国に比べると目が小さい人が多い傾向にあるということもあり、カラコンやブラックアイライナーなどで瞳を大きく見せるメイクは定番ですよね。
そんな「デカ目メイク」に並んで、昔から一つの文化を築いてきたのが「レッドリップ」。
とはいえ、若者の間で赤メイクが好まれるようになったのはここ数年です。
その前はバブル時代に流行していたということもあって、なんとなく古いイメージを持っていた方もいるのではないでしょうか?
それが、マットなものはテイラー・スウィフトに見られるような、こなれたファッションの象徴となり、艶のあるものはおフェロメイクで血色感を引き出すマストアイテムとなり…、質感を変えてここ近年、女子のポーチに欠かせないものになってきています。
唇だけでなく頬や目元にも「赤」がトレンド
レッドブームは唇だけではありません。
その色味を入れる部分は徐々に上に上がってきており、血色感をプラスするレッドチーク、泣いた後のような「うさぎ目メイク」ができるレッドアイシャドウ、レッドアイライナーなども人気です。
ここでポイントになるのは、血色感をプラスするのは、頬が上気したような「色っぽさ」を際立たせるためで、また、うさぎ目メイクで追求したいのは、思わず守ってあげたくなるような「儚げ」な印象だということ。
つまり、赤リップはどちらかというと、洗練された雰囲気を出すことで同性から憧れられるような存在感を放ちますが、赤いチークやアイメイクはどちらもいわゆる「モテメイク」として施されることが多いのです。
今どきメイクは「色遊び」が主流
今回、原宿で10代後半~20代前半の女性40人に聞き込みを行ったところ、好きなメイク、もしくはこれからやってみたいメイクとして多く挙がったのは「カラーメイク」。
これから夏に向けてフェスやイベントが増えてくることもあり、ピンクやブルー、イエローのようなカラフルなマスカラやアイライナーを用いている人が多いよう。
カラーメイクは毎年このシーズンになると注目されていますが、今年は特に、サクラクレパスとデコラ ガールのコラボコスメ、通称「クーピーマスカラ」、「クーピーアイライナー」など、発色のよいコスメが多く販売されているので、よりその人口が増えたように思います。
また、カラーコスメに抵抗のある方は、チークやリップにニュアンスカラーを選ぶという声も。
たとえば、RMKのリップジェリーグロスでブームに火がついた「青グロス」やMACやクリニークなどの「紫チーク」(「カシスチーク」とも)、キャンメイクの「黒グロス」など、意外に思えるカラーのコスメが流行っているのです。
中でも先述のRMKのグロスは、あまりの人気の高さに、入荷後すぐに欠品という状態が続いていました。
透明感を演出する青や紫、そして深みを出す黒、と従来のコスメと比べると暗めのトーンが多いですが、寒色以外にはEMODAのイエローグロスが肌なじみがいいと好評ですね。
(フリルに出品されている人気のコスメ)
こんなにもカラーメイク、ニュアンスカラーメイクが流行するようになると、赤メイクの差別化を図り強調して施すようになり、本来「自然に」血色感を演出させるはずのそれが「派手」に見られるようになってきました。
「オレンジコスメ」の台頭
今のメイク事情を語るにおいて、欠かせないカラーを挙げるとすると、赤、寒色、そしてオレンジです。
赤メイクが独自の路線を歩み始めた今、新たに注目され始めたカラーが「オレンジ」なのです。
寒色のような新鮮味はないかもしれませんが、人はだれしもなじみのあるものに親近感を覚える傾向にあるので、現在流行に至っているのも納得できます。
自然に血色感を引き出すことができ、また、肌なじみもいいのできちんと清潔感も出せる、と注目されており、次なる「モテメイク」として重宝しそうです。
先述の「カシスチーク」に見られるように、キャッチーで、なおかつスイーツを彷彿させるようなかわいらしい名前は女子に広まりやすいですが、このオレンジカラーの場合は、オフェロメイクで注目される「クボメイク」で有名な久保雄司さんが「メロン色」として、クリニークのチーク ポップやRMKのイレジスティブル グローリップスなどをInstagramなどで紹介したことも浸透した経緯にあるかと思います。
デートと女子会で「色」を使い分け
今回、メイク好きな女子に聞き込みしていてもう一つわかったのは、その日会う相手に応じてメイクを変えているということ。
付き合って長い彼氏と会うときは女友だちと会うときと同じ、という意見も多かったですが、合コンに行くときや付き合いたての彼と会うときはオレンジ(チーク、リップ)や紫(チーク)、女子会など同性と会うときは赤やカラフルなコスメを使うという声が多かったのです。
つまり、モテたいときはヘルシーな血色感と透明感を演出し、おしゃれに見せたいときは目立つカラーを使っているといえるでしょう。
パーツへのこだわり派も!
そのほか、上気した肌を演出するために耳に赤系のチークをのせる「耳チーク」や、「鼻の下が短い女性を美人と認識する」という研究結果に基づいて、鼻の下を短く見せるためにチークをのせたり、オーバーリップにするといった細かいパーツにこだわる意見も聞くことができました。
もともとルールのないメイク法。カラーコスメや寒色グロスなど、アイテムにもますます多様化が進み選択肢が広がった今、会う人に合わせて変えたり、自身の見せたいイメージに応じて変えるなど、シチュエーションごとにどんなメイクにするかで「自分らしさ」というのが築き上げられていきそうですね。